子供用成長サプリといえば、ほとんどが牛乳などに混ぜるドリンクタイプ。
でも、牛乳が苦手なお子さんもいますよね。
セノッピーは珍しいグミタイプで、しかも小粒、1日2粒でOKととても手軽。
お菓子感覚で成長期に必要な栄養素が取れるので、人気が出ているようです。
しかし、本当に背が伸びる効果が期待できるのでしょうか。
セノッピーはどんな商品?
セノッピーは森三中の大島美幸さんがCMで宣伝している、チューイングタイプの成長サプリです。
成長期の子供の栄養バランスを考えており、「成長」「活力」「伸長」をサポートしてくれます。
セノッピーを販売している会社は?
セノッピーは、公式サイトのソダツドットショップを展開する、株式会社LEFT-Uという東京の企業が販売しています。
しかし、この企業はHPもなく、情報は全くありません。
住所から検索したところ、ビルの同じフロア内にメディア事業の企業2社と美容系企業1社があり、3社とも代表者は同じでした。
しかし、LEFT-Uも同グループなのかまではわかりませんでした。
ただ、立川・府中アスレティックFCやキックボクシングジム平井道場など複数のスポーツクラブのスポンサーになっており、子供たちの運動支援を行なっているようです。
セノッピーの値段は安い?高い?
公式サイトによると、
通常価格が6,980円(税抜)、定期購入コースにすると初回が1,980円(税抜)、2回目以降が3,980円(税抜)となっています(キャンペーンで初回価格がさらに安くなることもあります)。
しかし、通常価格で購入する方法はありません。
公式サイトから申し込むと、必ず定期購入コースになってしまいます。
ただ、いつでも休止・解約ができるようになっており、次回到着予定日の2週間前までに電話または解約フォームで連絡すればOKです。
セノッピーの特徴
①成長・活力・伸長サポート成分を含有
カルシウム、アルギニン、ボーンペップ、ビタミンDなど、お子さんの成長に必要とされる成分が配合されています。
②ヨーグルト1個分の乳酸菌
乳酸菌は腸内環境を良くし、健康を維持するのにとても良いとされています。
セノッピーには2粒で100億個の乳酸菌が入っています。
③砂糖・人工甘味料・着色料・合成保存料無添加
砂糖の代わりにキシリトールを配合し、安全性に問題があるとされる添加物を極力排除しています。
④様々な栄養素を添加
DHAや鉄、オメガ3、葉酸、ビタミンEなど、成長に良いとされる成分が含まれています。
その他、大麦若葉、ケール、ブロッコリー、リンゴ、トマトなど様々な野菜・果実が25種類も入っています。
⑤ブドウ味で食べやすい
味は1種類のみですが、調査で最も人気の高かったブドウ味で食べやすくなっています。
⑥幼児でも食べられる
セノッピーは何歳からでも食べられます。
ただ、グミ状なので喉に詰まらせないよう、幼児には一人で食べさせないようにしましょう。
⑦保険に無料加入できる
定期コースにすると、コースを続けている限り無料で子供保険がつき、ケガによる入院や手術、他人や物に対する損害賠償が補償されます。
セノッピーに含まれる主な成分と効果
セノッピーには多くの栄養素が配合されていますが、その中でも特に成長に良いとされる代表的な成分について解説しましょう。
カルシウム
体内で最も多く含まれるミネラルで、骨に沈着することで骨を太くしっかりさせる働きがあります。
しかし、食材からの吸収率は成長期でも40%前後と低いため、常に不足しがちな成分です。
ビタミンD
カルシウムの吸収を促進し、骨が軟化するのを防ぐ働きがあります。
紫外線を1日15分程度浴びるだけで体内合成されるため、不足しにくいと考えられてきましたが、近年ビタミンD不足が顕著になっています。
新生児の22%にビタミンD欠乏による頭蓋骨不良が見られ、さらに母乳からの供給では不足しやすいことがわかっており、成長期に欠かせない栄養素です。
アルギニン
アルギニンはアミノ酸の一つで、成長ホルモンの分泌を促進させる作用があります。
成長ホルモンは身長を伸ばす働きがあるとされ、さらに体内物質をエネルギーに変えることから、子供だけでなく大人の健康維持にも大切な成分です。
ボーンヘップ
卵黄から抽出されたタンパク質(ペプチド)で、骨密度をアップさせる作用があることが実験で確認されています。
シールド乳酸菌
森永乳業が開発したヒト由来の乳酸菌で、外的から人体を守る働きがあります。
腸内の免疫細胞を刺激し、風邪やインフルエンザなどの予防に効果があることが報告されています。
セノッピーで背が伸びる?期待できない5つの理由
セノッピーは、確かに子供の成長に必要な成分が配合されています。
しかし、以下の点で問題があります。
①成分量が書かれていない
「1日2粒で不足しやすい栄養素を補える」と書かれているものの、その栄養素の成分量が公式サイトのどこにも書かれていません。
また、パッケージを見てもタンパク質、脂質、炭水化物、ビタミンDの量のみです。
特に骨の成長に必要とされるカルシウムの量が書かれていないのでは、期待するような結果は出にくいのではないでしょうか。
②「栄養機能食品」と書かれているが…
「栄養機能食品」と書かれていますが、これは特定の成分について基準値をクリアしていれば表示することができ、国の審査はありません。
しかもセノッピーの場合、骨の成長に必要とされるカルシウムではなく、その補助をするビタミンDのみが基準値を超えていることになります。
ビタミンD自体は大切な成分ではありますが、カルシウムが基準値をクリアしていないのでは、骨の強化に充分とは言えないでしょう。
③成長ホルモンの分泌量増加には大量のアルギニンが必要!しかも…
セノッピーに配合されているアルギニンの量が不明ですが、一般的な成長サプリの場合、せいぜい2g程度といわれています。
しかし、実際に成長ホルモンの分泌量をアップさせるためにはその10倍以上必要で、しかも直接血管に点滴で入れなければならず、サプリでの効果は期待できません。
日本小児内分泌学会では、以下のような見解を述べています。
アルギニンはたしかに成長ホルモン分泌刺激試験の薬として用いられています。しかし、分泌刺激試験で用いる場合は、体重1kgあたり 0.5gという量を30分間で直接血管内に点滴で投与します。たとえば体重30kgの子どもであれば15gを投与するわけです。一方、現在サプリメントとして販売されているアルギニン製剤は、多くの場合に200mg~2gの錠剤で、内服薬です。その全部が吸収されて血中に移行したとしても分泌刺激試験の10分の1ぐらいの量となり、全部がそのまま吸収されないことや代謝などを考えると、血中のアルギニン濃度はわずかな上昇に留まるのではないかと考えられます。従って、サプリメントの服用で成長ホルモンの分泌が促進するとは考えられません。たとえ血中濃度の上昇が観察されたとしても、本来の生理的変動である可能性が高いと考えられます。
さらに、成長ホルモンを大量投与しても、投与されなかった子供とほぼ同じ成長率しかなかったという結果も出ているのです。
④「お母さんの悩み」に身長に関する悩みがない
公式サイトを見ると、「こんなお悩みありませんか?」として、以下のことが書かれています。
・勉強が続かない
・運動が苦手、気が弱い
・野菜嫌い、牛乳嫌い
・勉強についていけてない
「子供の背が低い」という「悩み」が書かれていないのです。
つまり、セノッピーに背を伸ばす効果はない、と暗に言っているとも考えられますね。
⑤国内産でも原料は?
セノッピーは国内工場生産、細菌検査クリアを謳っています。
しかし、サプリの原料の多くは世界中で中国からの輸入に頼っており、加工や製造は日本でも安心とは限りません。
また、中国産原料には残留農薬や発ガン物質、重金属などが含まれているケースが少なくなく、これは「細菌検査」ではチェックできません。
セノッピーが危険な原料で製造されているとは限りませんが、大手メーカーほど安全性が確認されていない可能性があります。
セノッピーの保険に通院保証はなし
セノッピーの定期コースには、以下を補償するあいおいニッセイ同和損害保険会社の保険がついています。
・ケガや熱中症の入院(5,000円/日)
・ケガの治療のための手術(最大50,000円)
・他人や他人の物への損害賠償(1億円)
損害賠償(個人賠償責任危険保険)の保険金が1億円なのは素晴らしいことです。
しかし子供に最も多い、ケガによる「通院」には保険金はおりません。
損害賠償は単体で加入することができない「特約」のため、入っておいても悪くはありません。
しかし、こういった保険はどの保険会社でも月1,000円程度で、それが商品価格に含まれていることを考えると、その分商品の質が下がることも考えられますね。
※保険内容 https://sodatu.shop/user_data/hoken.php
最後に
セノッピーが考える「成長」とは、身長が伸びることを指しているのではありません。
「元気で丈夫で強い子」を作ることを「成長」と捉えています。
そのため、このサプリで身長が伸びるという期待は、あまりしないほうが良いでしょう。
口コミを見ても、「身長が伸びた」という意見より、「安心して食べさせられる」「体質改善に役立った気がする」「体力がついた」「集中力がアップしたようだ」「がっしり体型になった」といったものが目につきます。
もちろん、中には身長が伸びたお子さんもいるでしょうが、それがセノッピーの効果か、成長期の自然な成長なのか、はわかりません。
お子さんの成長が不安な方は、まずは医師や保健師に相談するなどして、毎日の生活で見直すことがないか、アドバイスを受けることから始めてはいかがでしょうか。
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